論衡 異虚篇 ―異変や災害にたいする説明の嘘をただすこと―

論衡 異虚篇 ―異変や災害にたいする説明の嘘をただすこと―

 夏の国(前二二―一九世紀)が衰微しかけたころのこと、二匹の竜が宮中の庭でいどみあい、泡をふいて姿を消した。夏王はそれを箱に入れて、しまいこんだ。箱は夏が滅びると殷に伝わり、殷が滅びると周に伝わったが、いつの世にもそれを開くことはなかった。(周の)幽王(萬王―前九世紀―の誤り)のときになって、それを開いて見ると、泡が庭に流出し、それが黒い蜥蜴と化して後宮に走りこみ、婦人と交接してついに褒似が生まれた。

エジプト第1中間期(第7 - 10王朝)
紀元前2200年頃、内乱(第一中間期)。