プトレマイオス2世ピラデルポス(在位:紀元前288年 - 紀元前246年)

プトレマイオス2世ピラデルポス(Πτολεμαίος Β' ο Φιλάδελφος、紀元前308年 - 紀元前246年、在位:紀元前288年 - 紀元前246年)は、プトレマイオス朝エジプトのファラオである。姉であり妻でもあるアルシノエ2世との強い結びつきのため、「兄弟(姉弟)愛」という意味のピラデルポスという異名を持つ。ヘブライ人の経典を公用語ギリシア語に翻訳させた人物であり、その翻訳は70人訳聖書と呼ばれ、現存する最古の旧約聖書の原版となった。

プトレマイオス1世の息子としてコス(Cos)に生れる。母はベレニケ1世。紀元前288年から父と共同統治を始め、父が死んだ紀元前285年から単独統治となる。その後、トラキアリュシマコスと結婚したが未亡人となっていた姉アルシノエ2世と再婚した。積極的な外征でエーゲ海の諸島を回復、また二度のシリア遠征(第一次シリア戦争、第二次シリア戦争)により領土を拡大し、更にアフリカとアラビアへの隊商路を確保した。さらにファイユームの地をギリシア軍の植民地として開発するに成功し、これをアルシノエ県と称した。内政面では宰相アポロニオスにより、ギリシア人を支配階層とする官僚的中央集権国家の生産独占組織と強力な統制経済機構を布き、国富は王朝の歴史を通じ最大となった。文化面でも父の遺業を継ぎ、学士院と附属図書館に多数の学者、文人を招聘しアレクサンドリア文学の黄金時代を現出した。